「秋茄子は嫁に食わすな」ということわざは一体どういう意味?
とっても意地悪な意味なのか、それとも別の意味があるのか気になる情報をお伝えします。
茄子は大好きで美味しいけれど、秋茄子ってそもそもいつ頃のことかな。
普通の茄子と比べてどんな違いがあるのか、知ってますか?
秋茄子は嫁に食わすなの本当の意味
ことわざとしてもよく聞く「秋茄子は嫁に食わすな」。
そのまま文字通りの意味だと、秋に収穫する茄子を嫁に食わせてはいけないですよね。
解釈としては、いくつかあります。
1. 秋茄子は美味しいので嫁に食べさせるのはもったいない。
(姑の嫁いびりのことば。)
2. 秋茄子は種がないので子宝に恵まれなくなるから、嫁は食べないほうがいい。
(縁かつぎ)
3. 秋茄子は美味しいのでたくさん食べてしまう。
でも身体に悪い成分が入っているから、嫁に食べさせてはいけない。
4. 茄子は身体を冷やす食べ物。
特に妊娠中の女性は冷えがよくないので、嫁に食べさせてはいけない。
1の解釈が一般的です。
2~4は身体のことを心配した言葉で、
どれも跡継ぎの子どもを産んでほしいから大事にするという意味合いです。
ことわざの由来
1のような嫁いびりの言葉は他にもあって
「秋さば嫁に食わすな」や「秋カマス嫁に食わすな」などがあります。
ことわざの元をたどってみると、鎌倉時代の和歌から来ていました。
「秋なすび わささの粕につきまぜて 棚に置くとも 嫁に食はすな」
この歌の意味は、わささ(新酒のこと)の粕につけた秋茄子を棚に置いたけれど、
ねずみに食べられないようにという意味。
昔、ねずみは「嫁が君」とも言われていました。
ことわざの意味はこれが正しいと一つに決めるものではないようです。
使う時には、注意しないと誤解されたりするかもしれないので用心しましょう。
秋茄子の時期はいつ?
茄子は夏野菜です。
いつでもスーパーで売っているからわかりにくいですが。
秋茄子はまた品種が違うの?と思いましたが同じ茄子みたいです。
普通の茄子は7月頃に実がなります。
秋茄子は、一度収穫した株がまた花を咲かせて実をつけたものです。
2回目の茄子が「秋茄子」なんですね。
8月から9月にかけて収穫されます。
朝夕の気温差が出てくるときで、皮が薄く実も締まって美味しいのです。
せっかくだから、美味しい茄子の見分け方。
■美味しい茄子の見分け方
・ヘタがしっかりしている。
・とげが痛いくらいが新鮮です。
・皮の色、つや、はりが良い。
・形がふっくらしている。
・持って重さのあるもの。
秋茄子と普通の茄子のちがい
ことわざになるほどに、秋茄子は美味しいです。
普通の茄子は、暑さのために養分があまり回らないのだそうです。
秋茄子の時期になると、アミノ酸などうまみ成分が増えるので美味しいのです。
やわらかくてみずみずしく、水分がたくさん含まれています。
秋茄子は、その水分やカリウムのおかげで、身体の熱を下げる効果があります。
この効果のために、秋に食べすぎると身体を冷やすことにつながると言われます。
秋茄子と普通の茄子は見た目が違う
普通の茄子との違いは、まず見た目から。
秋茄子は細く一直線で、普通の茄子は太目で先がさらに太く丸くふくらんでいます。
秋茄子には健康に嬉しい成分たっぷり
美容・健康にうれしい成分も秋茄子には含まれます。
ナスニンという成分。
これはポリフェノールの一種で抗酸化作用があります。
抗酸化作用は、有害である活性酸素を減らしてくれます。
老化、シミ、しわの原因となる活性酸素は紫外線やストレスで発生するので、この作用はいつも取り入れておきたいものです。
また、コレステロール値を下げる働きや血液をサラサラにしてくれます。
茄子のヘタはポイって捨ててしまうけど
これにも実は効果効能があったんですよ。
ヘタを黒く焼いて炭になったものを細かく砕きます。
この炭の粉は歯槽膿漏(しそうのうろう)や知覚過敏に効果があるそうです。
秋茄子についてまとめ
秋茄子の美味しくてうれしい効果がわかりましたね。
ことわざの意味は意地悪なのか、体調への気遣いなのかはっきりしませんが、
昔の人は食べ物と身体をしっかり結び付けていたようです。
旬の時期を生かして、食べすぎに注意しながらいただきたいですね。