妊娠をしてつわりが来ると食べられるものが減ってしまってツラいですよね。
妊娠してから食べ物の好みが変わるのはよくあることのようです。
中には「これ以外は無理!」という風に特定の食べ物しか受け付けなくなってしまう人も。
今回はそういった方、特に「ぶどうしか食べられない!」という方へ向けてぶどうの情報をまとめてみました。
妊婦さんにとって必要な栄養がどれくらい摂れるの?
食べ過ぎても大丈夫?
という疑問を解消していきます!
ぶどうの栄養って妊婦にはどうなのか?
ぶどうに含まれる栄養
まずはぶどうに含まれる栄養が妊婦さんにどんな効果があるのかを紹介していきます!
1.ブドウ糖
ぶどうの甘みの正体であるブドウ糖は、体内に取り込まれてからすぐにエネルギーとなるので体力回復に効果的です。
ぶどうはブドウ糖が豊富なことからヨーロッパでは「畑のミルク」とよばれるほど。
妊娠中は赤ちゃんの分までエネルギーを取らなければいけません。
かつブドウ糖は脳の唯一の栄養ですので、お母さんにもお腹の赤ちゃんの脳の発育のためにも絶対に必要な栄養素です。
3.鉄分
血液の材料で、血液には体中に酸素と栄養を届ける役目があります。
妊娠中は赤ちゃんにも酸素と栄養を届けるために、たくさんの血液が必要になります。
およそ妊娠前の2倍の鉄分を摂るのが理想です。
鉄分不足は貧血を招き、貧血は酸欠と栄養不足を意味し、赤ちゃんの発育に悪影響を及ぼします。
妊娠時の鉄分不足からなる貧血を「妊娠貧血」と言います。
4.亜鉛
骨や皮膚を成長させ、免疫力を高めます。
不足すると赤ちゃんの成長の妨げになるほか、お母さんの免疫力が弱ったり、つわりの原因になったりもします。
5.カリウム
利尿作用があり、ナトリウムの排泄を促します。
むくみ防止や妊娠高血圧症候群の予防になりますが、過剰摂取には要注意です。
6.銅
鉄分から赤血球を作るのを助けます。
骨を丈夫にする作用もあり、「骨ミネラル」とも呼ばれます。
また、血管を丈夫にする作用があります。
鉄分が十分でも銅が不足していると貧血になりますし、骨粗鬆症になりやすくなったり、心臓や血管が弱くなったりします。
他にも赤ちゃんの中枢神経に影響が出ることも。
7.ビタミンA
抗酸化作用、皮膚や粘膜を正常に保つ、角膜や網膜を正常に保つ、夜盲症の予防の効果があります。不足すると赤ちゃんの発育不良や早産のリスクが高まります。しかし過剰摂取は赤ちゃんの先天性異常の原因になり摂取量には注意が必要です。野菜や果物で取る分には神経質になる必要はありませんが、サプリメントで取るのは絶対NGです!
8.ビタミンB1
糖質をエネルギーに変える、疲労回復、皮膚や粘膜を正常に保つ効果があります。不足すると早産・死産のリスクが高まります。お母さんの健康維持にも重要なビタミンです。
9.ビタミンB2
皮膚や粘膜を正常に保つ、体内の過酸化脂質の分解の効果があります。不足すると赤ちゃんの発達障害のリスクが高まります。お母さん自身には口内炎や皮膚トラブルが発生しやすくなります。
10.ビタミンC
抗酸化作用、コラーゲンの精製、免疫力向上、抗ストレス、鉄分吸収促進の効果があります。
赤ちゃんの脳の発達にも重要で、不足すると記憶力を司る脳の海馬という部分が未発達になることがあります。
11.ビタミンE
抗酸化作用があります。ほかにも血流促進の効果があるため赤ちゃんに酸素や栄養が届きやすくなります。
12.ポリフェノール
ポリフェノールとは植物に含まれる色素や苦み成分のことで、強力な抗酸化作用があります。ポリフェノールには何種類もあり、ぶどうに含まれるのは主に「アントシアニン」というポリフェノールで、皮の部分にたくさん含まれています。
アントシアニンの効果は抗酸化作用、眼精疲労回復、血液を綺麗にする効果(動脈硬化予防、がん予防)などです。
妊娠中はホルモンバランスが変わることで思わぬところに不調が出たりします。ドライアイや視力が低下することもあり、そういったトラブル防止に役立ちます。
また、赤ちゃんに綺麗な血液を届けてあげることができます。
ぶどうには含まれていない栄養素
次に妊婦さんに不足しがちですが、ぶどうでは補給できない栄養素を紹介しておきます。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種です。赤ちゃんの脳や神経の発育に欠かせない栄養素で、不足すると「神経管閉鎖障害」という先天性の脳や脊椎の異常が発生するリスクが高まります。
ビタミンB6
妊娠高血圧症候群、つわりの予防になります。
ビタミンB12
血液の生成を促し、不足すると貧血になりやすくなります。
カルシウム
カルシウムは赤ちゃんの骨の材料になりますから絶対に欠かせません。
不足するとお母さんの骨からカルシウムを補給することもあり、産後のお母さんの骨粗鬆症のリスクが高まります。
ぶどうのカロリーで太る??
ぶどうは結構甘いので、あんまり食べると太るんじゃないかという心配もあるかと思います。
ですが、ぶどうは100gあたりおよそ59kcal。
巨峰が一房300g程度、デラウェアが一房100g程度ですので、たとえ巨峰をまるまる一房食べたとしても177kcalです。
カロリーオーバーの心配はほぼないでしょう。
ご飯をしっかり食べておやつとしてぶどうを食べているならまだしも、つわりでぶどうしか食べられない状況なら太る心配は皆無です。
むしろカロリー的には足りないぐらいです。
ぶどうの食べ方
外国の映画で俳優さんがぶどうを皮ごと食べているシーンとか見たことありませんか?
びっくりしたかもしれませんが、ぶどうの栄養を余すことなく体に取り入れるには一番いい食べ方です。
ですが、日本のぶどうの皮は外国で食べられているものよりも固いので口に残って食べ辛いです。
そこでぶどうを凍らせて食べてみましょう。食感が変わって皮が気にならなくなります。
生や凍らせて食べる場合の注意点ですが、よく洗ってから食べるようにしてください。
洗わないままだと皮の外側にはいろいろな菌や農薬が付いているかもしれませんし、ぶどうからトキソプラズマに感染することもあるようです!
ぶどうに限らずですが、生で食べる場合はよく洗いましょう!
そのままで食べる以外にはぶどうジュースで摂るという手があります。
皮にたくさん含まれているポリフェノールはぶどうジュースでも摂ることができます。
ほかにもレーズンでも同じように栄養が取れます。苦手でなければ利用してみましょう。
妊娠中のぶどうについてまとめ
いかがでしたか?ぶどうは妊婦さんにオススメできるフルーツだということをお伝えできたと思います。
他のフルーツと比べると特別ビタミンが多いというわけではありませんが、ビタミンACE(体内で合成できず食べ物から摂るしかないビタミンA、ビタミンC、ビタミンEをまとめてビタミンエースと呼ぶ)が含まれていてバランスが良いですし、ミネラルも豊富です。
妊婦さんに不足しがちな栄養素をすべて完璧に補えるわけではないですが、手軽に体力回復や貧血予防ができてかなり優秀なんじゃないでしょうか?
足りない栄養はサプリメントなども上手に使ってつわりのツラい時期を乗り越えましょう!