ボタンひとつで温度設定ができる最近のお風呂。「熱めのお湯に肩までつからないと入った気がしない」という方も多いのではないでしょうか。ところが、熱いお風呂は体への負担が大きく、冬場を中心に入浴中の事故も少なくありません。

この記事では、消費者庁の注意喚起をもとに、お風呂の適温と入浴時間の目安、熱いお風呂が危険な理由、安全に入るためのポイントをまとめました。

結論:お湯は41℃以下、入浴は10分までが目安

消費者庁は、入浴中の事故を防ぐために「湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にする」ことを案内しています。42℃以上の熱いお湯に長くつかるのは、体への負担が大きく、避けたほうが安全です。

消費者庁の資料では、高齢者の家庭の浴槽での溺水による死亡は、近年は交通事故による死亡者数を上回る水準で推移しているとされています。事故は11月〜4月の冬季に多く、寒い時期ほど注意が必要です。

熱いお風呂が体に負担をかける理由

  • 血圧や心拍が大きく変動する:熱いお湯に入ると、交感神経が活発になって心拍数や血圧が上がり、体に負担がかかります
  • 体温が上がりすぎる(入浴中の熱中症):熱いお湯に長くつかると、体温が上がりすぎて意識がもうろうとすることがあります
  • のぼせや立ちくらみが起きやすい:浴槽から急に立ち上がると、血圧が下がって意識を失うことがあります

意識を失った状態で浴槽の中にいると、溺れてしまうおそれがあります。特に高齢の方や、高血圧・心臓の病気・糖尿病などの持病がある方は、注意が必要です。

安全に入浴するための5つのポイント

1. 入浴前に、脱衣所や浴室を暖めておく(寒い場所との温度差が、血圧の急変につながります)
2. 湯温は41℃以下、湯につかる時間は10分までを目安にする
3. 浴槽から急に立ち上がらない(ゆっくり立ち上がる)
4. 食後すぐの入浴、飲酒後、医薬品を服用した後の入浴は避ける
5. 入浴する前に、同居の家族に一声かけておく

食後すぐ、飲酒後、医薬品を服用した後の入浴は、事故の危険が高まるため避けましょう。入浴の前後は、お茶や水をこまめにとりましょう。入浴では汗で水分が失われます。入浴後すぐにお酒を飲むのも避けましょう。

お風呂の温度の目安(季節別)

消費者庁が案内しているのは「41℃以下」という上限です。季節ごとの温度は、その範囲での目安です。

・夏:37〜39℃のぬるめが目安
・秋〜冬:39〜41℃が目安(41℃以下を守る)
・春・初秋など、夏と冬の間の時期:体調や気温に合わせて、41℃以下で調整する
・どの季節も:湯につかる時間は10分まで

寒い冬は、42℃くらいの熱めのお湯に入りたくなりますが、冷えた体で熱いお湯に入ると、血圧の変動が大きくなります。冬こそ、41℃以下に保ち、脱衣所や浴室を暖めてから入りましょう。

熱めが好きな人が、41℃に慣れるコツ

長年、熱めのお湯に入り慣れている方も、体の状態や年齢は変わっていきます。次の方法で、無理なく温度を見直してみましょう。

  • いきなり下げず、1℃ずつ少しずつ温度を下げて慣らす
  • 入る前にかけ湯をして、体を温度に慣らす
  • 熱めの湯に長くつかる代わりに、41℃のお湯に肩まで入り、10分以内に上がる
  • 半身浴にする場合も、体が冷えないよう、肩にお湯をかけながら入る
  • 入浴後は、湯冷めしないようにすぐ体を拭いて保温する

家族が浴槽でぐったりしていたら

浴槽の中でぐったりしていて、呼びかけても反応がないときは、すぐに119番に通報してください。日ごろから、同居の家族が入浴するときは、声をかけ合う習慣をつけておくと、異変に気づきやすくなります。

よくある質問

Q. お風呂の適温は何度?

A. 消費者庁は、湯温41℃以下を目安として案内しています。その範囲で、季節に合わせて冬は39〜41℃、夏は37〜39℃程度にするとよいでしょう。

Q. 熱いお風呂が好きだけれど、41℃ではぬるくて物足りない

A. 1℃ずつ下げて慣らし、かけ湯や半身浴で調整するのがおすすめです。熱いお湯に長くつかるのは体に負担がかかるため、入浴時間を延ばして補うのは避けましょう。

Q. お風呂は何分まで入っていい?

A. 1回の入浴で湯につかる時間は、10分までが目安です。長湯は避けましょう。

Q. 飲酒したあとにお風呂に入ってもいい?

A. 飲酒後の入浴は避けましょう。酔った状態では血圧の変動や意識の低下が起こりやすく、事故の危険が高まります。食後すぐの入浴や、医薬品を服用した後の入浴も避けるよう案内されています。

まとめ

お風呂は、湯温41℃以下・10分までを目安にし、入浴前に脱衣所や浴室を暖め、急に立ち上がらないようにするのが、安全に入浴するための基本です。熱いお風呂に慣れている方も、体の負担を減らすため、少しずつ温度を下げてみましょう。