料理・食材

銀杏って何個まで??糖質や物忘れとの気になる関係について

秋になると、イチョウ並木が黄金色に色づき、銀杏のおいしい季節になります。
世界古来の樹木の一つであるイチョウ。
実は生きている化石として、レッドリストの絶滅危惧類に指定されている貴重な樹木でもあることをご存じでしたか?

最近では、季節問わず技術の発達により年中おいしくいただける食材なのですが、食べ過ぎると大変なことになることも!

毎日食べても大丈夫なの?という疑問がでてきますが、食べ過ぎにさえ気をつければ問題なし。
歴史のある食べ物で健康効果にいいこともあるので、ここでは大事なことを確認しながらみていきましょう。

銀杏は1日何個までなら大丈夫か?

まずは銀杏の美容と健康効果のことを簡単にいうと。

・美肌作りのサポート
・高血圧対策
・疲労回復
・末梢神経などの神経機能を正常に保つ

というよい効果があるのです。

銀杏の中毒とは

「銀杏食べて中毒症状が出た」というのは量が関係しているのです。
健康な一般成人では適切な量を守れば食用として問題ありません。

しかし、生の状態やローストした銀杏は有毒です。深刻な副作用も報告されています。

これが中毒症状です。決してあなどってはいけません。

銀杏中毒は神経毒によって体に異常をきたしている状態です。
一度起こすと一旦症状がおさまるかのようにみえますが、一晩安静にして様子を見ないといけないほど深刻な症状なのです。

銀杏を食べていい年齢と個数

個人差が大きく関わってくるので一概にいえませんが、まず5歳未満の小児は最初から与えないようにしたほうがいいでしょう。
なんと、銀杏中毒報告数のおよそ7割程度の割合が子供です。
小児はまだ体ができていないため1個だけでも中毒やアレルギー反応を起こすリスクが大変高いのです。

場合によっては死に至ることもありとても危険です。
他の年齢の子供は3~5個、大人は5~10個を目安にしましょう。

個数を守ったとしてもビタミンB6やグルタミン酸が体内にどれだけあるかによって変わります。
1日5~6個でも中毒を起こす場合もあります。

また、中毒以外に食べ過ぎで起こる症状として以下の症状が出る場合もあります。
・鼻血(血小板の機能を低下させる効果があるため)
・腹痛、下痢、口内炎、発疹など(銀杏に含まれるギンコール酸によるアレルギー反応が原因)

同時に吐き気・めまいも併発している場合はすぐに病院で診てもらうようにしましょう。

銀杏の糖質について

最初にカロリーとは炭水化物の量のことです。
そして炭水化物は糖質と食物繊維で構造されています。

食品表示に食物繊維がある場合、炭水化物は糖質にあたります。
炭水化物は人のエネルギー源として大切な栄養素であり、糖質は疲労回復効果があります。

さて、銀杏のカロリー・糖質の量についてです。
日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、銀杏100gあたり171kcal。

ぱっと思い浮かばないのでわかりやすい量に置きかえますね。
10個(20g)あたりおよそ37kcalです。
ご飯1膳150gあたりおよそ250kcalですので、ざっくり言うとご飯と同じぐらいですね。

ですが、銀杏は火を通すと、ほくほくと小さいながらも満足感が得られます。
それに銀杏をご飯のようにモリモリ食べることはないので、比較的に低カロリーで糖質も低いよい食品といえるでしょう。

銀杏は物忘れと関係がある??


銀杏は古くから漢方薬として利用されています。
ヨーロッパの銀杏は、実は江戸時代に日本から持ち込まれたものです。
長崎の出島に来ていたE・ケンペル医師が、喘息に効果がある薬と言われていたイチョウをヨーロッパに紹介したのです。

銀杏の木「イチョウ」の葉から医薬品に。

そして、それから253年後の1966年。
イチョウの葉から抽出される「いちょう葉エキス」が脳の血流を改善することがヨーロッパで発見されました。
そして、医薬品として承認されたのです。

その後、アルツハイマーにも有効だとわかり抗痴呆薬としても承認され治療に使われているのです。
日本でも現在はイチョウの葉のエキスが注目されていて、いくつかの臨床試験で様々な効果を確かめようと試されています。

・記憶 (物忘れ) の改善
・脳機能障害の改善
・末梢循環障害の改善
・認知症の改善

なお、これらの臨床試験は、医薬品規格を満たすイチョウ葉エキスを用いて行われています。
市場で販売されているものが、同じくらいの効果を持つとは限らないのです。

イチョウの葉エキスの注意点


注意することはイチョウの葉も種子と同じで、副作用など気をつけなければならないことです。
アレルギー反応を同じように引き起こすことがあるのです。

特に医薬品規格を満たさないものの場合は注意が必要。
アレルギー物質を多く取ることになるのでアレルギー反応の可能性が大きくなるからです。
選ぶときは薬剤師に確認し、規格を満たしているか確認するほうがいいでしょう。

種子を食べる時とは違って明らかに気を付けないといけないことは、他の医薬品と併用してはダメ。
病気を抱えている方、糖尿病患者、抗うつ剤や肝臓で代謝されやすい薬を服薬されている人などの医薬品との併用摂取は避けましょう。
様々な相互作用が働いてしまう可能性があります。

飲み合わせについて医薬品との併用は慎重に自己判断はやめて、医師や薬剤師と相談した方がいいでしょう。

まとめ:銀杏やイチョウの効果について

やや難しくおそろしいような内容にはなってしまいましたが、以下のポイントをおさえておけばいいのです。

・種子はきちんと火を通してから食べる
・きめられた個数を守る
・服薬しているときはイチョウ葉エキスの使用は控える
・異変を感じたらすぐに病院へ

このことを頭の中の片隅に入れておきましょう。
安心して自然の恵みに感謝しながら銀杏を美味しく味わうことになり楽しめることでしょう。