年末の忙しい時期に、おせちを全部30日と31日の2日間で作り切るのは、共働きだとかなり厳しいですよね。

平日の夜や休日に少しずつ作って冷凍しておけたら、と考える方は多いはずです。ただ、何でも凍らせていいわけではありません。

この記事では、冷凍に向く料理と向かないとされる料理の仕分け、食べる日から逆算した日程、冷凍庫に入る量の見積もり、子どもに出すときの注意をまとめます。

おせちは作り置きして冷凍できる?

おせちは、料理を選べば作り置きして冷凍できるとされています。ただし、こんにゃくやれんこんの入る煮しめ、なます、水分の多い料理は食感が変わるため向かないとされています。

同じ料理でも、冷凍庫の性能や詰め方で仕上がりに差が出ます。「おせち全部を凍らせる」のではなく、「凍らせても味が落ちにくいものだけを前倒しで作る」と考えると失敗しにくくなります。

一番おすすめなのは、水分が少なく味のしっかりした料理から前倒しにする方法です。次の章で、料理ごとに仕分けていきます。

冷凍の向き不向きを料理別に仕分け

料理の水分量と、具材の硬さで仕分けると判断しやすくなります。

冷凍に向くとされる料理

  • 栗きんとん: 水分が少なく練った状態なので、冷凍しても食感が変わりにくいとされる
  • 田作り: 水分が少なく、小分けにしやすい。湿気を避けて密閉する
  • 伊達巻: 卵と魚のすり身を焼き固めたもので水分が少なめ。巻いた状態で小分けにすると扱いやすい

汁気を切ることが共通のコツです。水分が多いほど、解凍のときに離水して味がぼやけます。

向かないとされる料理と理由

  • こんにゃく・れんこん・ごぼうが入る煮しめ: 水分が抜けて、かたくなったりスカスカになったりしやすい
  • なます(大根・にんじんの酢の物): 野菜から水分が出て、食感と味が変わりやすい
  • 水分の多い和え物や、衣のある揚げ物: 解凍後に水っぽくなったり衣がしんなりしたりしやすいとされる

理由はどれも凍るときに水分が氷の粒になり、解凍で出てくるという仕組みです。ただし、商品や家庭の冷凍庫によって差があります。

判断が分かれる料理

黒豆、数の子、かまぼこ、えび、昆布巻き、ローストビーフは、案内によって「向かない」と「冷凍できる」が分かれます。

迷ったときは、次の2点で決めてください。

  1. 食感の変化を許せるか(数の子のコリコリ感、黒豆のふっくら感は変わりやすいとされる)
  2. 冷凍してから何日で食べるか(日数が空くほど風味は落ちやすい)

ローストビーフなど生に近い状態の肉は、加熱の状態によって安全面の扱いが変わります。判断に迷うなら、冷凍せず当日用に作るほうが安全です。

年末の日程と冷凍庫容量の見積もり

日付を固定すると、年によって曜日が合いません。食べる日の何日前かで考えると、どの年でも使えます。

食べる日から逆算する作業日程

  1. 食べる日(元日)を決める
  2. 冷蔵庫へ移す日を決める(冷蔵庫解凍は時間がかかるので、前日の夜ではなく余裕を持って前もって。量が多いものほど早めに)
  3. 冷凍する日を決める(作った当日に、粗熱を取ってすぐ冷凍する)
  4. 作る日を決める(冷凍に向く料理は先に、冷凍しない料理は食べる日の直前に)

共働きなら、休日に伊達巻のように手間のかかる冷凍向きの料理を作り、平日の夜に栗きんとんや田作りなど短時間でできるものを回す、と分けると負担が偏りません。作った日が早いほど冷凍期間が延びて風味は落ちやすいので、冷凍に向く料理を食べる日の少し前に作るのが現実的です。

冷凍庫に入る量を先に見積もる

作り始める前に、冷凍庫の空き段数を数えてください。お歳暮の食品や餅で埋まる前に、場所を確保しておくのがコツです。

  1. 冷凍庫の空き段と、入れられる保存容器・保存袋の数を数える
  2. 冷凍する料理を、家族が1回で食べ切れる分ずつに小分けにした数を数える
  3. 袋入りの料理は平らにして、立てて並べるか重ねる
  4. 入り切らない分は、冷凍の効果が大きい料理を残して削る

全部を凍らせようとせず、冷凍に向く料理だけに絞るのが一番現実的です。

お餅の冷凍も同じ冷凍庫を使うので、小分けの方法は餅の冷凍保存の記事も参考になります。

冷凍・解凍で守る安全のルール

手作りでも市販でも、粗熱を取ってすぐ冷凍し、解凍は冷蔵庫か商品の表示に従うのが基本です。

手作りおせちを冷凍するとき

  • 作ったら粗熱を取り、すぐに冷凍する(常温に長く置かない)
  • 小分けにして空気を抜き、日付を書いておく
  • 解凍は冷蔵庫でゆっくり行うのが基本
  • 電子レンジ解凍は、加熱ムラや食感の点から避けるとされる
  • 解凍したものを再冷凍しない

常温での解凍は、案内によって可否が分かれています。迷うなら避けて、冷蔵庫解凍にしておくのが安全です。

市販の冷凍おせちを買うとき

市販品は急速冷凍や専用の包装を前提にしていることが多く、家庭の冷凍庫で作ったものとは扱いが違います。

解凍にかかる時間は商品ごとに違うため、購入した商品の表示や同梱の案内に従ってください。

子どもに出すときの味・かたさ・誤嚥の注意

冷凍と解凍をくぐった料理は、味が濃く感じたり、かたくなったりすることがあります。小さな子に出す前に、大人が味と食感を確かめましょう。

  • まず大人が味見をして、かたいものは別に小さく切る
  • 餅、こんにゃく、かまぼこ、数の子などは、食べやすい大きさにして誤嚥・窒息に注意する
  • 解凍して水っぽくなった料理は、無理に食べさせない

年齢や食べ方の発達によって、食べられる大きさやかたさは違います。保育園・幼稚園に通う年齢でも不安があれば、小児科や自治体の案内を確認してください。

よくある質問

ここまでで触れきれなかった疑問に、短く答えます。

おせちの煮しめは冷凍できますか?

こんにゃくやれんこんなどの根菜が入るものは、食感が変わりやすいとされています。冷凍するなら、具材を選ぶか、冷凍に向く具だけを別に煮ておく方法があります。

冷凍したおせちはレンジで解凍していいですか?

手作りの場合は、冷蔵庫解凍が基本です。市販の冷凍おせちは、商品の表示に従ってください。

一度解凍したおせちをもう一度冷凍できますか?

再冷凍は避けるのが基本です。味も食感も落ちやすくなります。最初から食べる分ずつ小分けにしておけば、この問題は避けられます。解凍後は早めに食べ切りましょう。

おせちは冷凍でどのくらい持ちますか?

家庭の冷凍庫の状態や料理で差が出るため、日数は一律には言えません。冷凍していても品質は少しずつ落ちるので、作る時期を食べる日に近づけて、早めに食べ切るのが基本です。作った日を袋に書いておくと管理しやすくなります。

まとめ

おせちは、水分が少なく味のしっかりした料理を選べば、作り置きして冷凍できます。煮しめやなますなど水分の多いものは、無理に凍らせず当日用に回しましょう。

最初の一歩は、冷凍庫の空きを確認して、食べる日から作業日を逆算することです。