刺された瞬間はわからなくても、後から「これって何の虫に刺されたんだろう?」と気になることはありませんか。

虫刺されは原因の虫によって症状の出方や対処法が異なり、なかにはすぐに病院を受診すべきケースもあります。この記事では、症状から原因の虫を見分けるポイントと、水ぶくれができたときの対処法、受診の目安をまとめました。

その症状、何の虫に刺された?まず確認したいこと

虫の種類を見分けるヒントは、症状そのものだけでなく「刺された(咬まれた)状況」にもあります。屋外だったか屋内だったか、時間帯、刺された瞬間に痛みを感じたか、といった点を振り返ってみましょう。

下の表で、代表的な虫と症状の特徴をまとめました。まずはここで大まかに絞り込み、気になる項目の詳しい解説へ進んでみてください。

虫の種類×症状の見分け方

虫の種類刺された瞬間症状が出るタイミング水ぶくれ
チクッと感じることが多いすぐ〜数分まれ
ブヨ・アブほぼ無痛数時間後できやすい
ノミ気づかないことが多い数時間〜翌日まれ
マダニほぼ無痛(咬着したまま)咬着中〜数日まれ
ハチ鋭い痛みすぐ強い腫れが中心
ムカデ強い痛み(咬み跡2点)すぐできることがある
毛虫(チャドクガ等)チクチクした違和感数時間後まれ(細かい発疹中心)
やけど虫(ハネカクシ)気づかないことが多い数時間〜翌日できやすい(線状)

この表はあくまで一般的な傾向です。個人差や体質によって症状の出方は変わるため、次の見出しから、それぞれの虫についてもう少し詳しく解説します。

吸血して跡が腫れるタイプ(蚊・ブヨ・ノミ・マダニ)

もっとも身近な虫刺されです。刺された直後からかゆみが出始め、赤く腫れます。体質によっては大きく腫れることもありますが、通常は数日で治まります。

ブヨ・アブ

ブヨやアブに刺されたときの最大の特徴は、刺された瞬間はほとんど痛みを感じないのに、数時間後に強いかゆみと腫れが出てくることです。「蚊に刺されたと思っていたら、後からどんどん腫れて熱を持ってきた」という場合は、ブヨの可能性があります。腫れが硬く、なかなか引かないときの詳しい対処法は「ブヨの生息地に行くなら予防方法と治療法を知っておこう!!」で解説しています。

ノミ

足首やすね、ウエスト周りなど、下半身に複数箇所まとめて刺されることが多いのが特徴です。ペットを飼っている家庭や、草むらに入った後に多く見られます。

マダニ

マダニは咬みついた状態のまま皮膚に留まることが多く、無理に引きはがそうとすると、口の部分が皮膚内に残って化膿の原因になることがあります。マダニが皮膚に食いついているのを見つけたら、自分で抜こうとせず、皮膚科などの医療機関で処置してもらいましょう。マダニは感染症を媒介することがあるため、慎重な対応が必要です。

刺されると痛い・咬まれるタイプ(ハチ・ムカデ・クモ)

ハチ

刺された瞬間に強い痛みがあり、その後腫れが広がります。じんましんが全身に広がる、息苦しさやめまいを感じる、意識がもうろうとするといった症状が出た場合は、アナフィラキシーショックの可能性があるため、様子を見ずに直ちに救急を受診してください。特に、過去にハチに刺されたことがある人は、2回目以降の刺傷でアナフィラキシーが起こりやすいとされています。

ムカデ

咬まれた瞬間に強い痛みがあり、2点の咬み跡が特徴です。患部は熱を持って赤く腫れます。ハチと症状が似ていますが、咬み跡が2点あることや、屋内・物陰で遭遇しやすいという状況から見分けられることが多いです。

クモ

日本国内でクモに咬まれることは多くありませんが、セアカゴケグモなど毒を持つ種類も生息しています。強い痛みや水ぶくれ、広がる腫れが見られる場合は、自己判断せず受診しましょう。

触れるだけで炎症を起こすタイプ(毛虫・やけど虫)

毛虫(チャドクガなど)

直接触れていなくても、風で飛んできた毛が皮膚につくだけで、細かい発疹とかゆみが広範囲に出ることがあります。症状は数時間後に出ることが多く、原因に気づきにくいのが特徴です。

やけど虫(ハネカクシ)

虫自体に毒があるわけではなく、体液が皮膚につくことで、線状のやけどのような水ぶくれができます。潰れた虫を無意識に手で払うと、その部分に症状が線状に広がることがあります。

水ぶくれができたときの正しい対処法

虫刺されで水ぶくれができても、絶対に自分で潰さないでください。水ぶくれの中の皮膚はまだ薄く、潰すと細菌が入り込みやすくなり、「とびひ」のような感染症を引き起こすことがあります。患部を清潔に保ち、かかないようにガーゼなどで保護しましょう。

湿布・冷やすケアの基本

虫刺されのかゆみ・腫れには、まず患部を冷やすのが基本です。保冷剤や氷水をハンカチやタオルで包んで軽く当てると、冷たすぎず調整しやすくおすすめです。冷やすことで血管が収縮し、腫れやかゆみの原因物質が広がるのを抑える効果が期待できます。ずっと同じ場所を冷やし続けるのが難しいときは、湿布や冷えピタで代用しても構いませんが、冷却力は保冷剤より弱く、貼りっぱなしにすると蒸れるため、こまめに貼り替えましょう。

市販のかゆみ止め(抗ヒスタミン成分入り)を併用すると、冷やすケアと合わせてより効果的です。跡を残さないためには「とにかく掻かない・触らない」ことに尽きます。寝ている間に無意識に掻いてしまうこともあるため、爪を短く切っておく、患部をガーゼで保護しておくといった工夫も有効です。

熱で症状を和らげる専用ケア用品を使う方法もありますが、DIYで熱湯を使うのは低温やけどの危険があり絶対に避けてください。

腫れが固くしこりのように引かないとき

虫刺されを掻き続けると、しだいに固くしこり、茶色く色素沈着していく「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」という状態になることがあります。詳しい原因ははっきりわかっていませんが、虫刺されがきっかけで起こることが多く、特にアレルギー体質の人や、ブヨなど毒性の強い虫に刺された場合になりやすいとされています。掻くことでさらに痒みが強くなり、範囲が広がったり、何年も痒みが続いたりすることもあるため、固いしこりに気づいたら早めに皮膚科を受診しましょう。治療にはステロイド外用薬や、皮膚科での液体窒素治療などが用いられます。

ブヨに刺されたときの詳しい生息地・予防法・応急処置は「ブヨの生息地に行くなら予防方法と治療法を知っておこう!!」でまとめています。

病院に行くべき症状の目安

次のような症状が見られる場合は、自己判断で様子を見続けず、皮膚科を受診しましょう。

・市販の虫刺され薬を5〜6日使っても改善しない
・水ぶくれの中身が濁っている、膿んでいる
・1週間以上たっても腫れが引かない
・発熱を伴う
・ハチに刺され、全身のじんましんや呼吸の苦しさなどアナフィラキシーが疑われる症状がある(直ちに救急を受診)
・マダニが皮膚に食いついている(自分で抜かず医療機関へ)

特にハチによるアナフィラキシーと、マダニの咬着は緊急性・専門性が高いため、様子見をせず速やかに医療機関を頼ってください。

まとめ

虫刺されは原因の虫によって症状の出方が異なり、なかには医療機関の受診が必要なケースもあります。「刺された瞬間の痛みの有無」「症状が出るまでの時間」「水ぶくれの有無」を手がかりに、まずは表で大まかに絞り込んでみてください。水ぶくれは自分で潰さず清潔に保ち、上記の受診目安に当てはまる場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。